ゲームもうつ病の克服に役に立つことがあるの?

うつ病なのにゲーム等出来る状況ではないと考える方が多数だと思いますが、ここ最近では克服に向けて有効なゲームもあるんだそうです。

うつ病の克服に向けて

うつ病の克服に向けての治療というと、心療内科へ通院してうつ病の薬を処方してもらう方法が一般的ですが、そのほとんどは数種類の薬を同時に服用して精神を落ち着かせて克服を目指す方法です。

うつ病は肉体的疾患とは異なるため、薬物療法での即効性は期待できず、治療期間も長期に及ぶことにが多いです。その間、なるべく悪いストレスを受けない環境にいることが重要となるため、発症した原因によっては元の生活に戻るのが困難な場合もあります。

例えば、職場で受けたストレスによってうつ病を発症してしまった場合には、治療によって症状がある程度克服されたため職場復帰したら、再びうつ病の症状が出てきてしまったというケースも多いのです。そのため、うつ病を完全に克服するには個人差があり、その多くは長期化するのです。

うつ病が長期化した場合、まずは長期的な休養で心身をリラックスさせることが重要となります。しかし、本来生真面目な患者さんの中には、それが逆に大きなプレッシャーとなり負担になるケースもあります。

例えば、今まで仕事の一線で働いてきた人にとっては、その仕事が生きがいであり全てです。ところが、その仕事が原因でうつ病を発症してしまうと、「職場に戻りたいの戻れにない」というもどかしさで苦しむことになります。

責任感が強い人ほどうつ病になりやすいと言われており、こうした人は思い切ってその環境から離れることが、症状を改善して克服させる有効な方法です。

しかし、仕事から離れてしまうと収入が得られなくなるため、特に生活を支えている人にとっては心の底から休養することは非常に難しい場合もあり、このような人はいかに自分の心の中を前向きに変えることができるかが大きなポイントとなってきます。

現代社会はストレス社会とも言われており、日本においては就職をし始める10代後半から働き盛りの30代前半~半ばあたりの世代で、うつ病を患ってしまう方が過去3年間で約1.5倍に増加したと言われています。

これは何も日本に限ったことではなく、うつ病は世界各国にも多くの患者がいます。そんな将来を担う若者世代のうつ病を克服させるため、ニュージーランドではうつ病をゲームで克服するという、新しい発想の治療方法が開発され、今若者を中心に大きな注目を集めています。

ゲームの名前は『SPARX

これは『SPARX』と言う名前のコンピューターゲームで、CBTと呼ばれる認知行動療法で心理的にアプローチを行うことにより、若者たちにうつ病の克服への有効な取り組み方法を伝えていくものです。

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今までは思春期からそれを過ぎて間もない若者達には、こうしたゲームのような遊びは人との関わりを薄れさせ、孤独させる大きな要因として否定されるものでした。しかしながら、ニュージーランドの研究チームの開発によって、その考え方は少しずつ変わってきています。

このSPARXというゲームはオンラインのロールプレイニングゲームで、プレイヤーはオンライン上で戦士となり、7つに分けられたレベルを、火の玉などの武器でネガティブな考え方を吹き飛ばしながら進んでいくという内容です。

これによって、うつ病を克服させるために必要な考え方などを自然と身に付けていくというもので、楽しみながら自分の病と向き合って克服していくことを目的にしています。

レベルは1~7まであり、レベル1は洞窟地帯、レベル2は氷河地帯、レベル3は火山地帯、レベル4は山岳地帯、レベル5は低湿地帯、レベル6は橋梁地帯、レベル7は渓谷地帯となっています。

レベル1では洞窟地帯で戦うことで、今の自分がおかれた状況から希望を見出すことがテーマとなっています。レベル2では、氷河地帯を進むことで以前のような行動的な自分を取り戻し、レベル3の火山地帯では、不安定な精神(特に感情的になった時の自分)と向き合います。そうしてレベル4の山岳地帯で、問題を解決する意志を培っていきます。

そのためにレベル5の低湿地帯で、早期改善に必要のない考えや役に立たない方法などを今一度考え直す、認知の再構築を行います。これによって今までの否定的でネガティブな考え方から抜け出すことができます。これをレベル6の橋梁地帯から得ていきます。

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レベル1~6の間に、意識改革をしてマイナスな自分を向き合い前向きな思考へと意識を向けて行動的な自分を培っていきます。そしてレベル7で、ストレスを改善する対象法や自分では対処できないほど苦しくなった時の助けを求める方法を学んでいくのです。
若い世代ほど、うつ病の克服へ向けての治療の代表的方法でもある対人カウンセリングにおいて、前向きになれず気が進まないと感じる患者が多いことが分かり、コンピューターのゲームを使った治療法が生み出されたのです。

このSPARXのゲームでは12歳~19歳までのうつ病の症状を持つ被験者187人に実施され、その中の168人が3か月にわたり継続して実施されました。その結果、対人カウンセリングではうつ的傾向を7.59ポイントしか低下させることができなかったのに対し、SPARXのゲームでは10.32ポイント低下させることができました。

また、うつ病の克服の確率においても、対人カウンセリングが26.3%にとどまったのに対し、SPARXでは43.7%と約1.7倍の高いことが分かりました。

SPARXというゲームはニュージーランドの医師チームが作ったゲームで、RPGで遊びながら認知行動療法が学べるソフトなんだそうです。

このゲームをやることで、カウンセリングを受けた後のような効果が期待出来てゲームを1か月くらい続けた人は、うつ病の傾向が軽減されたり、完全にうつ病を克服出来た方もいるようです。

SPARXというゲームで、お値段は1,080円。アプリとしては高い気もしますが、初心者向けの認知行動療法本を買うよりは安です。認知行動療法のおいしいところがまとまったゲームなので、個人的には高くないようにも思います。

ゲーム以外でも何かしら趣味を持つことはとても良いですよね。どんなことが克服に向けて良い影響があるのでしょうか?

知らなかった、こんな趣味が良かったとは??うつ病の克服に向けて!

自分自身の体験談

自分自身は症状が重い時は1日中ベットで横になって過ごしていたのでとてもゲームどころではなかったですが、ある程度回復してきた時には気休めでゲームに取り組んでいる時期もありました。

その時間だけは他のことを忘れられるのでストレス緩和には良かったです。

もちろんあまりにも、のめり込んでしまうと疲労が溜まりストレスになるので気を付けないといけません。

ゲームの種類にも注意が必要で一人で黙々と取り組むものより複数人で楽しめるようなものをやったほうが上手くいった時、上手くいかなかった時の感情の出し方の練習にもなるので良いと思います。

克服に向かっている証拠の確認にもゲームは良いかもしれませんね。

少しでも楽しいとか、自然に考えられるようになっていたらかなり克服出来ているという証拠にもなりますよね。

一概にゲームはダメと否定するのではなく上手に付き合うことが大切だと思います。