老人性うつ病 と認知症の違いとは??

うつ病は若年世代でも患ってしまうことが多い病気ですが、症状としては気分の変化・判断力の低下・記憶力の低下といったものが見られます。

老人性うつ病を発症した場合、これらの症状は認知症におけるものと重なってしまう為に、何れに拠るものかの判断を明確にする必要があります。

必要な処置やアプローチが大きく異なり、治療開始後にどのような経過をたどっていくかという点も大きく異なります。

故に間違った判断のまま治療を続けると、効果が出ないどころかみすみす症状を進行させてしまう事にまで繋がり兼ねません。

しかも老人性うつ病、認知症いずれの病気であっても早期治療が奏功し易い事から、判断を迷う時間を少なくし、何としても混同を避けねばならないという訳です。

老人性うつ病とは??

そこで老人性うつ病と認知症の違いに目を向けたいところですが、まず老人性うつ病の場合には若年層と比べ、注意力が散漫になる・悲観的になるという傾向が強く出やすくなっています。

特に注意力に関しては、認知症との混同が起きる要因となり得ます。

その一方で脳の機能レベル自体は維持されている事から、うつ病を発症した当人がそうした症状にある事をしっかりと自覚している事がその特徴となります。

それ故に薬物による治療のみならず、カウンセリングといった精神面からのアプローチが上手くマッチするケースも見られます。

またうつ病の症状については、急激に進行するケースが見られるのも老人性うつ病である場合の特徴の1つです。
そしてうつ病の薬の投与による治療を開始すると、前述の症状は改善されていく傾向が見られ、それが急速である場合もあります。

伴って、認知症の疑いも消失して行く事が基本的な経過となります。

認知症の場合は?

次に認知症の場合ですが、こちらは初期段階ではあまり症状が表出せずに周囲から僅かな違和感を感じる程度に留まる事が一般的です。

同時に、症状の進行はゆっくりである事が殆どです。初期である内は脳の機能レベルが高く、本人が状況に不安を感じて老人性うつ病と同様の経過を辿る事があります。

ですが進行すると脳機能レベルが低下して行く為に、いずれは自身の症状に無関心になっていく事が大きな特徴となります。また極端に悲観的な願望を抱く事は少ないという特徴も見られます。

そしてうつ病の方を疑ってうつ病の薬による治療を始めた場合、効果が全く見られる事がありません。そもそも発症のメカニズムに違いがある為に、改善へのアプローチに繋がらない事がその理由となります。

同様にカウンセリングを行ったケースについても症状把握には役立ちますが、判断力低下に伴ってその内容を上手く理解出来ない事が多くなっているのでポイントがズレてしまい、症状の改善には繋がらない事が殆どです。

これらの特徴や傾向から、治療や見極めに挑む姿勢も見えて来ます。まず治療が奏功しない場合、もう一方の病気も疑って見るという姿勢は必ず堅持して置く必要があります。次に老人性うつ病に関しては、比較的ハッキリとした引き金があるケースが見られます。

例えば配偶者との死別・独立する家族との別居等、年齢に関わらずライフスタイル上の大きなインパクトとなる出来事は、要因・遠因となる可能性があります。

一方の認知症が日頃の生活の中で徐々に進行を見せる事が多いという真逆の経過をたどりやすい事もあり、一方の病気を疑った時点でそこに至るまでの経過にも目を配って置く事は重要な要素となります。

そして治療を良い方向へもっていく為にも、素人判断を避ける事が望まれます。例えば認知症家族の経験がある人が老人性うつ病の症状がある人と接した場合、過去の経験がある故にどうしても誤認しやすくなる可能性があります。

あくまでも専門的且つ第三者的視点から、いずれの病気の影響下にあるかは客観的に判断される必要があります。