うつ病を早く克服するのに入院は有効か?

うつ病の克服に向けて入院しての治療を検討した方が良いのはどんなケースでしょうか?

まずはなんといっても休養することが優先されます。

克服に向けてリラックスできる環境の選択を

ごく当然のことですが、心身の疲労がピークに達してしまって頑張ろうとしても頑張れないのがうつ病なのですから、まずは心身がリラックス出来るような環境に自分の身を置いた方が賢明だと思います。

気持ちが不安定な状態では、病院の薬を使ったとしても、元気になれるわけではありませんし長期化する原因の一つにもなります。

多数の方にとっては、ある程度リラックスして過ごせるのは自宅でしょう。

信頼できる家族がそばにいてくれるだけで気持ちは安らぐものです。

そのため、うつ病は基本的には通院で治していく方が望ましいと言われています。

入院は慣れない場所での生活を余儀なくされます。

病院という慣れない場所で、見ず知らずの人たちと生活して、今までと違う環境で睡眠をとらないといけないので

安静に休養したいと考えるとどうしてもマイナスになってしまいます。

どうしても必要な時は入院での治療をすべきなのですが、入院さえすれば良い治療が受けられるとか入院さえすれば良くなるというものではありません。

出来ることなら通院で治していくのが良いとは言っても入院が必要な事もあります。

どんな状況の時に入院したほうが良いのでしょうか?

自殺念慮が激しい時や家庭に居ても休養が出来るような状況でなかったり、あまりにも食事が摂れないほど衰弱しきってしまっている等の時には入院のほうがベターかもしれません。

うつ病を克服してく過程で一番避けなくてはいけないものが自殺です。

自殺してしまってはもともこもないので、絶対に起こさないようにしなければいけません。

うつ病は気分が落ちこみが長期間続いて何もやる気がなくなって、自分で自分のことをマイナスに追い詰めて「死にたい」と考えがちな思考パターンになります。

でも、これはうつ病がそうさせているだけで、元気になれば自然と消えていくものです。

うつ病の症状が酷い時は気づきにくいものですが、「死にたい」という思考になるのは本音の心ではないはずです。

病気の症状なので誤解してはいけません。

克服に向けて通院で治療する際に自殺を予防するには、家族がしっかりと見守ってくれる事が大切です。

入院であれば、1日中病院の職員の方が見守る事ができます。

このように入院は通院と比較して自殺を予防する手段が多く取れるのです。

しかし、家庭環境が安静に休養出来るような状態とは無縁な状態なのであれば、この理屈は成り立ちません。

そもそも家族が仲が悪かったり仕事関係で時間が合わなかったりと理由は様々あると思いますが、家族といても気が休まらないのであれば、入院して環境を変えることが良いかもしれません。

うつ病を早く克服するために入院は、必ずしも有効というわけではありません。

うつの状態やその人の心理状態によっても、入院が有効かどうかは違います。
有効性が高いのは、自宅療養ではゆっくり休めない人です。うつ病の人は真面目な人が多いです。そのため「自分だけ休んでいて良いのか」「休んでいないで何かしなければ」と感じてしまうことが多いです。

すると自宅療養の効果が十分に出ません。
人によってはやり残した仕事を無理に進めようとしたり、仕事探しを始めようとしてしまいます。
こういうタイプの人だと、入院して「自分は入院患者なのだから、休むんでいて良い」と許せるようになります。

医師や看護師といった医療人が周りについているので、うつを病気だと納得して、治療に専念することができます。
また、万が一自殺念慮が出た時なども素早く医師が対応しやすいので、危険を回避できる可能性も高くなります。

逆に「自宅でもちゃんと休んで良い」と思える人であれば、あえて入院しなくても良い可能性もあります。病院で監視されていれば少なからず不自由な状態になりますし、そのために閉塞感を感じて息苦しくなってしまう場合もあるからです。また、経済的な問題もあります。

入院期間中は、少なからずお金がかかります。日本は医療費負担が少ない国とはいっても、稼ぎがない状態でのんびりと病院に入っているのはお金の無駄だと感じてしまう可能性もあります。
自宅で休めて、経済的な負担も考えたい人であれば、自宅療養でも良いでしょう。

重度のうつ病であれば入院も

もちろん、重度のうつ病であれば、病院で24時間体制で見張っていてもらったほうが良い場合もあります。

本人が何をしでかすかわかりませんし、患者本人も自分の気持ちが今後どのように動いていくのかわからず、不安になるケースもあるからです。

方法としては、重症の時期を過ぎたら自宅療養に切り替えるという方法もあります。薬物療法などで気持ちが落ち着いてきたら、自分が休むことを自分に許せるようになることも多いからです。

自分が休んでいることが許せないという人であれば病院に入ったほうが克服が早くなる可能性がある、ということです。
どちらにするかを判断するためには、まずは自分の感情を書き出したり、医師に話してみることが大切です。理屈では休んだほうが良いとわかっていても、それが潜在意識で許せていない場合もあるからです。

ワーカーホリックのタイプの人は、自宅にいてもなんらかの形で仕事をしなければならない、それも毎日続けなければならない、とがんじがらめに考えてしまうものです。

このタイプの人であれば、病院に入って何も仕事道具などを与えられない環境でしばらく休んだほうが良いでしょう。
病院でも仕事をしてしまうという人だとあまり意味はありませんが、その場合には克服のために仕事道具の持ち込み禁止なの制限をつけてもらうと良いでしょう。

病院に入り続けることは、経済的な問題が色濃く出てきてしまうことも多いです。経済的な負担でさらにうつ病を悪化させるよりは、経済的な負担を感じずに自宅療養したほうが良いでしょう。

この判断は医師や看護師ではできません。いくら病院にいたほうが良いと言っても、無理やり患者を病院に縛り付けることはできないからです。

うつ病では経済的な蓄えが十分にあったとしても「お金がない」「仕事がなくなってしまえば一文無しになってしまう」という妄想を抱く人も少なくありません。
この場合には家族など周りの人が経済状態には余裕があることを病院に伝えて、少しでも早く克服できるように病院に入れたほうが良いでしょう。
自分が休んでいることを許せるかどうかが、自宅療養か病院かを分けるポイントになります。

私自身は入院の経験はないのですが、今、思えば短期間でも入院してみるのもありだったかなと思うこともあります。

同じような状況の方と話す機会が作れるからですね。

ひたすら家のベットで1日中横になっていることが多かったので孤独感を感じる事が多かったです。

「人と話す」というごく当たり前のことが少なくなってしまうとどんどんマイナス思考になっていくものです。

話をきいてもらう、理解者がいるということがどれだけ嬉しく力になることかと何度も思いました。

克服に向けて入院での治療をされる方は是非、今までどんなに辛かったのかを話を聞いてもらって少しでもストレスを緩和してほしいと思っています。

うつ病を患ってしまったということは、今までの努力が台無しになってしまったりと報われなかった場合が多くて、心身の状態がすっかり疲労困憊の状態になっています。

今までが我慢することが普通になってしまってどんなに苦しくても弱音や愚痴を吐かなかったので、その反動が大きすぎて、何かをする気力もなくなって完全に衰弱状態になってしまいます。

私自身がそうでしたが、食欲も全然なくなって体重も落ちてあまり食べられなくなって水を飲むことさえも面倒になって、ひたすらベットで寝転んでいるだけで何日も過ごしてしまう場合もあります。

そんな時は、命の危険もあるので病院へ相談して様子を話して診察してもらいましょう。

自力で水も飲めない場合は入院することも検討する必要があります。

うつ病の症状が最初は軽いものであっても少し休めばすぐに元気になるだろうと軽く考えて、きちんとした治療をしていなかったり、医師の指示どおりの薬を服用していなかったりすると、うつ病がひどくなっている場合があります。

一度ひどくなると、克服までの期間を長引かせてしまうこともありますから、独断で治療を止めてしまって、うつ病がひどくなってきている時は、入院する必要が出てくる場合もあります。

うつ病の原因が家庭、家族内にある場合は、家族と一緒にいるだけでストレスをいつもより過剰に感じてゆっくり休養できないこともあります。

女性の方に多いのは、家事や家族のことなど考えることが沢山あるはずです。

家庭にいることで気を使い過ぎる状態でしたらうつ病の初期の段階でも入院してゆっくり休むことも必要になってきます。
中には家族にあうだけでストレスになる方もあります。
少し休養して家族とこれから仲よく生活していくためにも休憩する意味で、入院という選択肢もあると思います。