うつ病の家族や友達が入院を嫌がる場合はどうすれば良いか?自力での治し方ってあるの?

重度のうつ病の場合は、入院をした方がご家族や周囲にとっても負担がかからず治療にも良い場合がありますが、入院をすれば必ず改善するというものでもありません。そして中には嫌がる人もいます。

渡部
こんにちは!うつ病改善コーチの渡部 啓二と申します。kei_watanabe1

うつ病の場合、治療法は一般的に通院して薬物療法やカウンセリング、そして安静にしていることが中心となります。他の病気の疾患と異なり、心が疲れ切ってしまっている状態ですので、気持ちの落ち着く環境を整えることが望ましいと言えます。

1. 嫌がる場合は入院するにも注意が必要

穏やかに過ごせない環境に置かれていると、うつ病の薬をいくら使用しても良くはならないと考えられます。入院するとなると、これまでと環境がすっかり変わってしまうことになります。

慣れない場所で面識がない知らない人たちと接触し、慣れない環境でしばらく生活することになりますので本人にとってはとてもストレスになり負担にもなります。そのため、疲れ切ってしまっている精神状態で環境が急激に変わってしまうことで、ますます悪化してしまう可能性も考えられます。

嫌がるのは、精神的なストレスが過剰に増えてしまうことと、環境がガラッと変わってしまうことも原因と考えられます。うつ病は個々の状態により大きく異なるため一概にこうした方が良いとは言い切れませんが、自殺してしまう可能性が十分に高い場合、薬物依存症になっている場合、食事がろくにとれず衰弱している場合は嫌がることがあっても入院が必要になると考えられます。

うつ病は性質上、重度になってしまうと軽度の時より色んな事を嫌がるようになり、死にたい気持ちが強くなってしまう病気のため、頻繁に未遂などを繰り返している人は病院で安静にしてもらったほうが良いと考えられます。その方が自殺することの予防になり、家族や周囲の人にも負担がかからないためです。

また、食事が摂れない場合も病院で栄養を摂る手段がいろいろとありますので安心が出来るでしょう。

渡部
しかし気をつけなければいけないのは、嫌がるのに無理に説得をして連れて行ってはいけないということです。

無理をさせてしまうと余計にうつ病の症状がこじれたり病状が悪化してしまう場合がありますので気をつけましょう。本人が自宅で療養をしたがっていたら、危険度が低い場合は本人の望むようにしてあげて見守りましょう。

もちろん、見守るほうにも限界があり、疲れきってしまうことがありますので自分自身のケア、ストレスは定期的に吐くようにしてため込まないように改善させることが第一です。

そしてうつ病の症状が少しずつ改善すればご家族や周囲の人の負担も減っていきますので、まず根気強く本人の意見を聞くことが大切だと考えられます。

なぜ入院を考えるまでひどいうつ病になってしまったのか、そこを突き詰めていくと解決策が見えてくると思いますので、ご家族もその背景やご本人の心理状態などを知っていくことが必要となります。

軽症の場合でも入院してはいけないという決まりは無いので環境を変えて治療したい人は相談してみる事をオススメします。

2. 入院を嫌がる場合にはゆっくり時間をかけて会話を大事に!

会話が出来ないほどしんどい場合は、筆談や交換日記などでコミュニケーションをとっていくのも良いでしょう。

どうしても入院をさせたい場合でも、ゆっくり時間をかけて心を開き本人と対話をしていくことが重要となります。ある程度心を開かなければ、嫌がる一方になりますので必ずご本人とのコミュニケーションをとるようにしましょう。

本人からなかなか気持ちを聞き出せない場合はカウンセリングに付き添うのもひとつの方法となります。カウンセラーと本人の話を聞くことで、問題が見えてくることもあります。

そうすると、家庭に原因があるのか、職場に原因があるのか、他に原因があるのかそれとも複合的なものかが理解出来るようになりますので、対処法も変わってきます。

嫌がる場合はまず家庭で本人が穏やかに過ごせる環境を作り、話を一つ一つ丁寧に聞いた上で本人に納得してもらうようにしていきましょう。

これまでの接し方を変えることで、本人も思考も大分変わってきます。まずはうつ病に対して可能な範囲での理解を持ち、本人を落ち着かせることが大切です。そして根気が必要となりますが、どんな些細なことでも原因となった根本のところを優しく聞き役に回って聞いてあげることをオススメします。

うつ病を患っていなくても人間の心理として共感してほしい、理解してほしい、聞き役に回ってほしいという心理は人間なら誰でも持っているのではないでしょうか?

家庭に原因がある場合は家族でこれまでの見直しや反省点も出てきますし、職場に原因があるのなら退職させるという方法もありますので、安静にしつつ、しばらくはゆっくり過ごせるように見守っていくと良いです。

どうしても落ち着かない家庭環境で、しかもどうしても本人が嫌がる場合は、病院ではなく本人の環境を変えるのも一つの方法となります。

一週間程度湯治をさせたり、しばらくの間、家庭環境から離れてゆっくり過ごすことの出来る部屋を借りるのも良いと考えられます。

もちろん誰か身近な人の目も必要になりますので、うつ病の場合は身近な人との二人三脚で改善していくこともありますので、時間をとって話を聞き、回復させることに集中してみるのが一番良い接し方だと考えられます。

うつ病は症状が悪いとご本人も周りも相当辛いと言われていますが、医師の多くは必ず良くなる病気と言っています。

そしてうつ病は悪化してしまうと長い期間かけて付き合っていかなければならない病気でもありますので、入院して長期的な目で改善させていくことが必要となります。嫌がるのを無理やりに頭ごなしに話すのではなく本人と同じ目線に立ち、寄り添って接していくのが良い対処法だと考えられます。

3. うつ病で入院すると障害年金をもらえる可能性も!

うつ病を長期間患っていて病院へ入院する人は、障害年金がもらえる可能性があります。障害年金を手にすることで、大きな不安の原因である経済的な悩みから少しでも解放されて、お金のことで安心出来るというメリットがあります。

うつ病を患ってしまって長期間休むようになると、仕事をしたくても仕事が出来ないことがあります。私自身も同じ状況でしたが、生計が上手く立てられなくなり生活が苦しい状況におかれます。

支払いの請求書が毎月沢山届いて余計に憂鬱になっていたことをよく覚えています。

仕事が出来ない環境で蓄えのお金だけで生活するのは難しいので、障害年金があるだけで生活は保障されます。障害年金は、どれだけ長く病気の症状が続いているかよく見られるので、入院期間が長くても短くても数回入院している場合は障害年金を頂くことが出来る可能性があります。

4. 自分自身の入院した体験談

自分自身も1ヶ月未満の短期間でしたが病院への入院経験があります。経済的な悩みもありましたが一時的に環境を変えてみることは自分としては結果として良かったです。

渡部
病院へ入院すれば誰かしら人がいるわけですので1日中会話しないということはないという点がまずは良かったですね。

そして食事も3食栄養バランスのとれたものを提供してくれるので本当に助かりました。

悩みを吐き出す場があるのとないのでは全然心の状態が違います。

自宅で一人でポツンといると自分の状況が分かりにくい事もあるし改善したいのか、もうどうでも良いやと考えるのかこんがらがることもありましたので心の状態を安定させる意味でも短期でも入院してみることは良いと思います。