ADHDで仕事に集中できない人はどう対策したら良いの?

ADHDという言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが具体的には多動性障害とも言われており、落ち着いて1つのことに集中できない病気の1種です。

後天的なものではなく、生まれ持った脳の病気の1つと言えます。子供が多動症になっているケースもありますが、そのまま成長して大人でもその状態が続いているケースも少なくありません。

そのような人たちが仕事をすると、様々な問題が生じます。

大人のADHDについて詳しく、マドレクリニック院長 千葉 正之先生がこうおっしゃっています。

大人のADHDは、大人になってから初めて出現するものではありません。不注意、多動性、衝動性という3つの症状に、子どものころからずっと悩まされており、多くの人は自分なりの工夫や対策を考えて努力していますが、それにもかかわらず、状況が改善せず大人になり、うまく生活することができず困っているのです。
日常の活動(たとえば、掃除にかかる時間、歩くスピードなど)すべてにわたる能力や行動であるパフォーマンスが落ちていきます。なんとなくいつもの自分と違っていると思いながら気のせいだと判断して、自分が病気であることにはまだ気づいていません。

引用元:マドレクリニック院長 千葉 正之先生

1.ADHDだと仕事にどんな影響があるの?

単に集中力がないため集中できないだけの人もいます。

その判断は、素人ではなかなか難しいですが判断基準をいくつか知っておけば自分が多動性障害により業務に集中できていないかどうかを見分けることが可能です。

多動性障害になっているかどうかの判断基準の1つは、計画性を要する作業をしている場面で計画通りに行うことができず途中で飽きてしまうかどうかで判断できます。

1つの作業を行って完成を目指すならば、計画通り行っていれば最後まで仕上げたい気持ちが強くなり集中力もある程度までは継続できるものです。

ですが、計画を立てたにも関わらず途中で集中力がなくなってしまい作業自体が完成しないなどの状態に陥っている場合は、多動性障害により集中力がなくなっている可能性があります。

どれぐらい集中できるかは人によって異なりますが、多動性障害でない人ならば30分から1時間位は集中できるはずです。

集中力がなくなると同時に貧乏ゆすりや目的のない動きをしている場合、多動性障害の疑いが持たれます。例えば、1つの作業に飽きてくると貧乏ゆすりをする場合です。

もともと貧乏ゆすり自体は、足を動かすことにより足の細胞の死滅を防ぐ役割があります。

人間は、身体を全く動かさないとその部分の細胞の死滅が早まると言われています。

そのため生理的に貧乏ゆすりをして、細胞を活性化させることもあるわけです。

そのため、貧乏ゆすり自体がいけないわけではありませんが、すぐに貧乏ゆすりをしてしまう等の症状が見られるときは、多動症障害を疑った方が良いでしょう。それ以外でも、目的のない動きをすることがあります。

例えば、仕事をしている途中にすぐに飽きてしまい、どこか立ち歩くような人も多動症の疑いがあると考えて良いです。

ただ、子供時代に比べてすぐにふらふらと立ち歩く大人はそれほど多いわけではありません。多動性障害でも、すぐに立ち歩いてどこかに行ってしまう人はたまにいる程度です。

書類を作成する場面でも、集中力がない人は様々なミスをしますが、例えばイージーミスを連発するような場合には多動性障害の可能性が高いです。

イージーミスとは、自分の名前を書く欄や日付などを間違える場合です。

本来日付を調べるのは非常に簡単なため間違えるわけがありません。

実際に、日付を書く時に他のことを考えてしまいミスをする人もよくいます。

ですが、1度や2度のミスではなく、毎回のように簡単なミスをしている場合には多動性障害を疑った方が良いかもしれません。

仕事している最中に集中力がなくなり、ものをよくなくす人も多動性障害の可能性があります。

例えば、働いている時に書類やペンなどを頻繁になくす人は、注意力が散漫になっており1つのことに集中できていないパターンです。

大抵そのような人のデスクは散らかっており、片付けることが出来ない状態になっています。片付けようと思っても、別のことを考えてしまい途中で片付けることを忘れさらに散らかる傾向があるでしょう。

しかも、片付いていない状態が余計忘れ物や紛失物を誘発します。毎回のようにものをなくすとすれば、多動性障害が原因の可能性は高くなります。

集中力がなくなった時、別のことを考え始める人が多いでしょう。通常多動性障害や注意欠如等でなくても、何かに取り組んでいる時に別のことを考え出すことがあります。

この場合でも、単純作業ならば手が動いているためなんら問題は無いはずです。

特に、ルーティンワークとして行っている仕事の場合には、頭で考えなくても身体でその動作を覚えているため、そこからミスが誘発されるようなこともないでしょう。

ですが、多動性障害の場合には集中力がなくなると同時に、別のことを考え始めそれが頭の中を支配して言葉に発することもあります。

つまり、作業しながら独り言を言っているパターンが多いわけです。頭が自分の世界で支配されてしまうと、目の前の作業でミスを繰り返す可能性が高くなります。

独り言を言うタイプは、おとなしい人は少なく大抵よくおしゃべりをする人です。

ただおとなしい人でも、周りに人がいなければ自分の世界に入ってしまいベラベラと独り言を言っていることもよくあります。独り言でも、誰かと会話をしているような話し方をする場合には、多動性障害の疑いが強くなります。

渡部
自分や知り合いの方がadhdかもと思ったら目安に出来るセルフチェックがあるので一度やってみるのも良いでしょう。

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2.ADHDの人は具体的にどんな対策が有効なのか?

ADHDで仕事に集中できない場合はまず、規則正しい生活習慣作りに取り組むことが大切です。

睡眠不足や運動不足があると、注意散漫になりやすく、ミスをしてしまう恐れが強まります。
その為、睡眠不足は禁物ですし、睡眠の質が下がる運動不足も避けたいところです。

2-1睡眠時間の確保で余計なストレスを減らす

必要な睡眠時間には個人差があるので、日中に眠気を感じない時間を特定して、毎日その時間の睡眠を確保することをおすすめします。

ゲームやネットは楽しいものですが、時間を浪費したり夜ふかしする原因になってしまうので、予め時間を決めて楽しむ必要があるでしょう。

特に翌日仕事がある日の夜は、睡眠時間の僅かに短くなっても翌日に大きく響くので要注意です。

睡眠の質は、精神疲労より肉体疲労がが上回った方が高まりますから、ADHDで仕事に集中できない人はそれを意識して生活の改善に取り組んでみましょう。

睡眠の質の改善として薬物療法も有効だと、すなおクリニックの院長の内田直先生もおっしゃっています。

薬物療法として、日中の眠気をとるときにメチルフェニデート徐放剤(コンサータ)は有効な場合が多くあります。また、このような患者さんにアトモキセチン(ストラテラ)を投与しても、日中の眠気が取れ、更に夜間睡眠が改善するという感想がよく聞かれます。ストラテラは通常、朝投与しますが、これが夜間睡眠を改善するということは非常に興味深い点です。これは、日中のノルアドレナリン系の機能亢進が、二次的に睡眠のメカニズムに好ましい影響を与えている可能性があるのかもしれません。更に、起床困難(朝起きられない)があるケースでも薬物療法を用いることで、改善が認められます。

引用元:すなおクリニック

 

2-2.定期的な運動習慣を取り入れて集中力強化

一方で運動は定期的に取り組むのが理想的ですが、時間がない場合は通勤に徒歩に切り替えるだけでも運動になります。

エスカレーターではなく階段を使う、一駅早く降りて残りを歩くといった工夫のみでも有効です。

肉体疲労には入浴が有効ですし、精神的なストレスも緩和できるのでおすすめです。
ただし飲酒は過度になると余計にストレスが溜まりやすくなり、睡眠の質も低下してしまうので避けるべきです。

運動によるADHDの改善は認められているので、身体を動かすことは健康維持に限らず、集中力の改善にも繋がります。

  • 一日30分以上の散歩をしてみる(義務的に30分しなければならないと決め込む必要はありません)
  • 一週間に2~3回の筋力トレーニング

このような単純な事でも定期的な運動がadhd改善に有効だと医学的にも説明されています。

何故、運動でADHD症状が良くなるのか?

運動によって、この前頭前皮質-線条体回路の神経伝達物質であるドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニンの分泌量が上昇することが確認されています。これによって、ADHDの認知行動機能を改善する(忘れっぽさやケアレスミスが少なくなる)と考えられています。また、運動後の被験者の脳の構造を調べた研究では、前頭前皮質や海馬の灰白質が増加し、連結性に変化が見られました。ごく最近の研究で明らかになったこれらの機序により、運動にADHD症状の緩和効果があると考えられています。

短期的には、たった1度の20分以上のウォーキング、ジョギング、サイクリングといった有酸素運動によって、不注意症状や集中力、不適切な行動の抑制に効果が見られたという報告が数多くあります。2,3週間の期間継続した運動(ジョギング、水泳、サイクリング、縄跳び、球技)の効果について調べた研究では、不注意、多動、衝動性といったADHD症状の他、実行機能、学業成績、運動技能の向上が見られました。

引用元:東京TMSクリニック 医師 産業医 永野泰寛先生

2-3.メモを取るを癖をつけて常に見えるところへ貼っておく

職場においては、言われたことや任された重要なことをメモしておき、所定の場所に貼ったりしておくのが良いでしょう。

注意が散漫になると、聞いているはずの言葉が耳から抜けていくので、しっかりと耳を傾けてメモを取りたいものです。

それとADHDは時間をルーズにさせるところがあるので、こまめに時間を確認して、計画通りに仕事を進めるようにすることが大事です。

当然ながら計画があってこその時間の使い方ですから、やるべきことに時間を割り振って、時間内で仕事が終わるように取り組みましょう。

とはいえ、いくら事前に念入りな準備をしたり計画を立てても、集中できない時はできないです。
そういう場合はトイレ休憩を取ったり、集中的に音楽を聴くなどして頭をリセットするのが正解です。

環境や状況を変えるのは、脳が飽きやすくなることによる集中できない悩みの解消に役立ちます。

職場の人達のサポートを受けたり、医師に相談して薬を処方してもらうのも手ですが、やはり本人の工夫が重要です。

大抵の集中できないケースは気が散る外的な要因があるものですから、要因のシャットアウトこそがadhdの人にとって対処の基本となるでしょう。

3.自分自身のADHDに関しての考え

知り合いで実際にADHDと診断された方がいらっしゃるのですが日常会話する分には、ほぼ違和感を感じることはないですが、やはり突発的に意外な行動に出ることは度々あるようでした。

しかしそういうのを認めることで逆に違和感を感じることもなくこういうタイプの人もいるんだということが学べたし、自分もうつ病経験があるのでお互いに辛さを分かりあえて考え方とか学ぶことができています。

その知り合いの方の例で言えば行動的でアグレッシブな面があって、新しいことへの興味、知識が豊富なのが本当に驚かされます。

逆に自分の方がネガティブなのではと気づかされることもありました。

偏見の目を持っている人からしたら精神的な病気持ちとか見られそうですが実際に会話してみると変わるものです。